困ったときは原点回帰

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もはやAmazonを知らないという人は少数派ではないでしょうか。なぜそこまで多くの人に認知され、また利用されるようになったのか。私自身もAmazonユーザーです。その強さは、圧倒的な顧客志向にあります。

創業者であるジェフ・ベゾスの考えや顧客に対する向き合い方に触れておくことは、商売をしていく上で何らかのヒントが得られるでしょう。商売をしていると、どうしても目先の利益に囚われがちです。どうやったらより多くの利益を生み出すことができるか、この1点に集中してしまうのは否めません。これはこれで正しい考えではあります。儲けを出さなければ、顧客に継続的なサービス提供ができないので、まずは会社が存続することが大前提だからです。存続するためには、利益を出して、会社を運営していくための原資を稼ぎ出さなければならないのです。

しかし、すべての会社にとって、そもそも会社を成り立たせるためには顧客ありきのはずです。顧客がいなければ商売できません。目先の利益を追うのも良いですが、自社の利益の元には顧客の繁栄があるはずです。にもかかわらず、いつの間にか考えが変わっていき目先の利益だけを追い求めるようになり、その元にある顧客が見えなくなってしまっている会社は珍しくありません。そういった会社は、一時的に我が世の春を謳歌できたとしても、長期的な成功は覚束ないでしょう。創業期など苦しい時には、明日食べるために何としても利益をたたき出さなければならず、自社だけにしか目がいかないこともあるかもしれません。しかし、それは一時的なものであって、競合他社を蹴散らしてある程度の優位性が生まれた暁には、戦略を切り替える必要があります。

仕事柄、経営者と面談する機会が多いのですが、多くの経営者とお会いして感じるのは、長期的な成功者は、やはり顧客ファーストの考えとその行動が一致しているように感じます。立派な理念はあっても、行動が伴っていなければ世の中から干されるのは世の常ではないでしょうか。断言できますが、顧客をないがしろにする会社に未来はありません。業績が伸び悩んだり、思うように事業が前に進まなくなったと感じたなら、手遅れになる前に一度会社を起こした原点に立ち返ってはいかがでしょうか。これは、会社組織に限らず個人にも同じことが言えます。Amazonの考えには原点回帰のヒントが溢れています。

参考文献:1分間ジェフ・ベゾス Amazon.comを創った男の77の原則