偏見の迷路を抜けるための選択
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「常識とは、18歳までに積み重ねた偏見の累積でしかない」という言葉があります。これは天才物理学者であるアインシュタインの言葉です。生きている限り、解決策の見えない迷路に迷い込むことがあります。その時、相談相手によってアドバイスが180度異なることもあります。そうなればどれを信じたらいいのかも分かりません。せっかくのアドバイスでも、それを採用する本人の偏見の累積の結果、無難なものを選んでいても結果は変わり映えしないでしょう。これまでの価値観や常識に照らし合わせて見るもの、聞くものは、歪んだものだということを理解しなければ、迷路は新たな展開へと進みません。多くの自己啓発本にも書かれていますが、今までの延長線上に新しい未来はありません。これに気づき、今までとは違う大きな進路変更を行わなければ、迷路からは抜け出せないのです。
昔、ある会社の採用面接で面接官から言われたのは、「ほとんどすべての人間は寝ているのと同じだ」ということです。ここでの「寝ている」とは、文字通り眠っているわけではなく、目は開いたままでも、周囲の環境に合わせてただ反応しているだけで、自らを積極的にコントロールしていないという意味です。要するに、他人の言う通りの人生を生きているということです。
それに気づかず、毎日を惰性で過ごし、同じルーティンで時間を消費している人は少なくありません。メジャーリーガーのダルビッシュ投手があるテレビ番組のインタビューでご自身について語っていました。「このままでは(何も成し遂げられず)あっという間に死んでしまう」と。超一流選手でもこれほどの危機感を持っているのです。この言葉に心を打たれ、妙に納得しました。人生を振り返り、10年前に戻れたならと思っても後の祭りです。過ぎ去った時間を懐かしむ暇があれば、今この瞬間をどう楽しむか、5年後や10年後にどうなりたいかという目標に向けて行動すべきです。今現在は、10年後の自分が戻ってきたと思えば良いのです。同じような日々を過ごしていると、歳をとるごとに時間が経つのが早く感じられるようになります。過去の行動に後ろ向きになるのではなく、未来に向けて積極的に行動した方が良いでしょう。そうでなければ、本当にあっという間に終わりがやってきます。やりたいことを実現する(迷路から抜ける)ためには、課題を乗り越える必要があります。課題にどれだけ取り組み、解決できたかが、充実度を左右します。
偏見という迷路から抜け出し、自らが船頭として目標に向かって主体的に行動していきましょう。常識的に考えても上手くいかない時には、これまで選ばなかった選択肢を試してみてください。今までと同じ選択肢では、同じく平凡な結果しか得られません。
参考文献:迷路の外には何がある?