セールスとPRの連鎖効果
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本当に分かっていますか?売り物が何なのか。これを明確にするところからがスタートです。
以前読んだ本に、「ドリルを売るには穴を売れ」というものがありました。タイトルが示す通り、顧客はドリル自体を欲しているのではなく、15mmの穴を欲しているのです。つまり、商品そのものではなく、その商品がもたらすベネフィットを売ることが重要です。これがセールス広告の本質です。
広告を構成する全ての要素は、第一文を読ませることに集中しています。広告を見た時、最初に目にするのはキャッチコピー、リード、写真や図版です。これらはすべて、第一文を読ませるために存在します。第一文の目的は、第二文を読ませること。これが唯一の目的です。それでは第二文の目的は何でしょうか。答えは明白です。第三文を読ませることです。これらのコピーにより、商品のコンセプトを顧客に訴えかけます。
これはセールス広告に限らず、人材採用記事やプレゼンテーションにも応用できます。あらゆるPRにおいて、顧客が次を見たい、聞きたいと思わせることが勝負の鍵です。
仕事柄、クライアント企業のセールス支援を行なう機会があります。多くの優秀なセールスパーソンたちは、顧客に商品の特性を説明することに留まっています。最悪の場合、マニュアルをただ読み上げているだけの時もあります。まず大切なのは、顧客がなぜその商品を求めているか、そのニーズを理解することです。ほとんどの場合、彼らは商品のベネフィットを求めていますが、顧客自身もそれが明確になっていないこともあります。
高額商品を売る場合は特に、一度の商談で決定することはまれです。二度目、三度目の商談につなげることが必要になります。大切なのは、次のアクションへとつなげること、つまり次のセンテンスを読ませることです。その過程で、顧客自身も明確なベネフィットを理解していきます。これを意識して商談に臨めているでしょうか。
もちろん連続させて繋げた先は、最終的にベネフィットに納得して契約書に印鑑を押してもらうことが目標です。広告であろうと商談であろうとPRの本質は変わりません。このアプローチは、セールス文章に限らず、セールスパーソンにとって抑えておくべきポイントだと思います。