10人に1人が直面する問題、どう考える?
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コミュニケーション障害でひきこもりになる人は少なくありません。京都学園大学によるレポート「コミュニケーション障害と推定障害者数」によると、いわゆるコミュ障と診断されている人は推計1,300万人にのぼり、人口の約10%以上に相当するとされています。自分が該当しなくても、家族や友人、職場の同僚など、身近な人がそうである可能性は十分にあるのではないでしょうか。そこで今回は、コミュニケーションの問題を入り口に、課題を乗り越えるプロセスについて考えてみたいと思います。
コミュ障とは、言語や対人スキルに問題があり、適切なコミュニケーションが難しい状態を指します。自閉症スペクトラム障害(ASD)、言語障害、発語障害などが含まれます。それにより社会的な相互作用や意思疎通が難しくなり、学業や職場での適応が困難になり、結果としてひきこもりにつながるケースも少なくありません。
たとえひきこもりでソーシャルスキルがほとんどない状態でも、手をこまねいているだけでは何も変わりません。自分なりに課題を克服しようと試行錯誤を重ねることで、解決の道が見えてくることもあります。きっかけは、たまたま立ち読みした雑誌の一言かもしれませんし、友人からの何気ない助言かもしれません。一度きっかけをつかめば、それを突破口にして改善へと進むことができます。
経験したことがある人ならば、小さな成功体験を積み重ねることで、心に余裕が生まれることを実感しているでしょう。その内面の自信は、自然と外見にも表れてきます。しかし、成功の裏には数えきれないほどの失敗があるのも事実です。失敗し、壁にぶつかるたびに心が折れそうになることもあります。
課題解決の過程では、酸いも甘いもさまざまな経験をすることで、人として成長できます。壁を突破するためのノウハウも得られますが、それ以上に、成長の過程で積み重ねた経験自体が大きな財産となります。成功と失敗、そのたびに生じる感情の振れ幅が、人生をよりエキサイティングなものにしていくのは間違いありません。本来、自分を磨くことは楽しいものです。これほど興奮するものは他にない、と断言できます。着実にトレーニングを積み、実際に明らかな変化を感じられたときの達成感は、そう簡単には得られない特別なものです。もちろん課題を解決することは容易ではありません。できることからコツコツと。チャレンジしようと思うことから始めましょう。