情報化時代の生存戦略

情報弱者にとって、世知辛い時代となったことは否めません。情報化社会においては、多くの情報を有する者が強いというのは自明の理です。情報は生き抜く上での強力な武器であり、不可欠な存在と言えます。歴史を見渡せば、文明が対峙した際、常に情報弱者が情報強者に従属させられてきたのは明らかなように。

なぜ貯蓄が増えないのか、多くの人が考える問題です。その答えはシンプルで、貯蓄に関する正確な情報が不足しているからです。正しい情報がなければ、適切な行動を取ることは難しいでしょう。富裕層は裕福になるための行動を取っているに過ぎないのです。にもかかわらず多くの人が、自ら行動して貯蓄を増やすための正しい情報を取りに行っていないように感じます。
スポーツなど他の分野でも同じことが言えます。例えば競技するスポーツのルールを知らずに勝利することは不可能でしょう。

我が国では、戦後の好景気に沸いた当時の制度が今もなお続いていますが、時代と社会情勢は大きく変わっています。目まぐるしい変化の中で、古い制度が現状に適合するわけがないのです。制度と実態のギャップからは、得られるものや搾取されるものが生じ、それが所謂「黄金の羽根」と呼ばれるものです。古い制度をどれだけ理解できているかによって、生き方や戦い方が大きく変わります。ルールを知らなければ、ゲームに参加することさえできないのです。

力の本質を考えるとき、資本主義社会では資本を多く集める者が有利とされています。勝つためのルールは時代によって変わりますが、常に共通する要素もあります。多くの人を支え、動かせることが、すなわち力であると定義できるのではないでしょうか。現代では、資本があればより多くの人を支え、動かせるというのがルールであり、力のある人間にはさらに力が集まります。正しい情報は資本を集める手段であり、また情報自体が価値を持つようになっています。

例えば企業の経営幹部が力を持つのは、適切な情報が集まり、有利に仕事を進められる環境が整っているからです。現代において力とは、正しい情報と莫大な資本であるということに異論はないでしょう。不動産売買を例に取ると、住宅を売る際にはその特性を深く理解する必要があります。顧客の属性や思考パターンまで熟知した営業スタッフは強いのです。情報弱者は、目の前の不動産営業スタッフが本当に自分の利益を考えて提案しているかを判断できません。適切な判断を下すためには、その不動産を買うべきかどうかを判断するための正しい情報が必要なのです。正しい情報はあふれていますが、残念ながらジャンク情報も多いのが事実です。

行動して意識的に正しい情報を集め、それを基に意識的にアンテナを張ることで、私たちも黄金の羽根を見つけ出すことができるはずです。

参考文献：お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方