営業で成功する人は、まず自分を知る

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あなたが営業という仕事を任されていたとします。世の中の相場として、売れる人は何を売っても売れ、売れない人は何を売っても売れない、というのが一般的な見方でしょう。売れない人は、このまま努力を続けても、恐らく売れるようにはならないと思います。なぜなら、売れない人もこれまで売れるよう努力してきたはずだからです。何もしていないのに売れないのは論外ですが、努力を重ねても成果が出ていないということは、そもそも努力の方向性が間違っているということです。従って、間違った努力をいくら続けても、売れるようにはなりません。

売れない人よりも売れる人になりたいと思うのは当然のことです。では、売れる人とはどのような人なのでしょうか。ざっくりと言えば、自分自身をしっかり律することができる人とでも比喩しておきましょう。営業に関する話題は過去にも何度か書いているので、以前の投稿も参考にしていただければと思います。

自分を律することができる人とは、現状を受け止め、改善策を実行できる人のことです。自己研鑽のために貪欲に本を読み、知識を吸収する向上心の高い人は、方向性さえ間違えなければ必ず成果を出せるようになります。売れない原因を常に自分にあると考え、改善を繰り返すことで、売れないでいる方が難しくなるのです。逆に、原因を自分以外のものにすり替え、言い訳だけは一流な人は、決して売れるようにはなりません。 こうした人は、本を読んで自己研鑽することもないでしょう。

売れない人の多くは、自分以外の何かに「できない理由」を求めるマインドを持っているため、売れる側に転換させるのは難しいものです。言動が売れない側に染みついており、外部からの働きかけだけで変えることは容易ではありません。そもそも、他人に言われて変われるのであれば、とっくに変わっているはずだからです。

リーダーとして部下を持つ立場の人もいるでしょう。部下の中には、売れる人と売れない人がはっきり分かれているはずです。努力できる人には正しい方向を示すことで成長が期待できますが、努力しない人に時間をかける余裕はありません。さっさと切り捨てるというのも、一つの優しさかもしれません。 時間は有限であり、本人にとっても現在の営業という部署から異動するか、転職する方が有効な時間を増やせる可能性が高いからです。

現在は売れていない人でも、「くすぶっている」人に限り、時間をかけて育てることで覚醒する可能性はあります。くすぶっている人が売れない理由は、たった2つしかありません。

1.行動量が足りていない

2.人に嫌われる行動を取っている

行動量が足りていないのであれば、増やすだけです。事務所に座っていても契約は取れません。とにかく案件数を増やす努力をするしかありません。 小手先のテクニックを使うのは、手持ちの案件数が一定数確保できてからの話です。

次に、「人に嫌われる行動」について。礼儀作法を知らないなど、売れる人からすれば「こんなこともできないのか」と思うような初歩的なミスを犯している人が意外に多いものです。**こうした人たちこそが「くすぶっている人」**でしょう。

物事には必ず理由があります。行動量が足りないのにも、嫌われてしまうのにも、必ず原因があるはずです。まずは、自分がどちらの理由で売れていないのかを正しく理解した上で、改善に取り組むことが重要です。 これを徹底すれば、上達のスピードは格段に上がります。

これまで多くのセールスパーソンと接してきましたが、行動量が足りない人にテクニックを教えても、なかなか売れる人材には育ちません。 逆に、場数を踏み、経験値を蓄積している人にテクニックを伝えると、すぐに響くものです。結局のところ、まずは案件数を増やす、すなわちバッターボックスに立つ機会を増やさなければ何も始まりません。 そして、打席数を増やした後に、テクニックを磨き込むのが理想的な成長プロセスです。

営業は、基本的に対人の仕事です。人の心理を熟知している人が強いのは言うまでもありません。 人に嫌われるような言動を取ってしまっている場合は、売れる人に同行してもらい、自分の至らない部分を指摘してもらうとよいでしょう。

繰り返しになりますが、努力できない人は何をやらせてもダメです。 これは営業という仕事に限らず、すべての仕事に共通することです。ただし、努力できない背景には、それなりの理由があるはずです。不得意なことをやらされることほど、苦痛なことはありません。

今の仕事では適性がなく努力できなくても、仕事を変えることで真価を発揮できる可能性は十分にあります。一昔前は「最低3年は続けるべき」と言われていましたが、合わないと感じるなら、即座に辞めて次に進むという判断も間違いではありません。 適性を見つけるにも場数が必要なのです。

参考文献:心理学者しか知らない すごい! 営業 (無意識に「あなたから買いたい」と思わせる営業心理術