問題発見とその背後の意味
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20世紀までの問題解決能力が求められた時代に比べ、21世紀以降は問題自体が希少となり、解決策が過剰という、有史以来初めての状況に突入したと言います。もはや問題解決能力だけでは価値はなく、これからは問題を見つける能力が重視される時代になります。このような能力の持ち主は、ニュータイプと称されています。
問題とは、望ましい状態と現状との間のギャップを指します。問題を提起できることは、望ましい状態、つまりビジョンを描く能力とも関連しています。ビジョンが欠け、目の前の仕事に対する意義が見出せなければ、その取り組みはいずれ破綻します。なぜなら、人は与えられた意味の豊かさによって、エネルギーの放出量が変わるからです。新時代の組織においては、その組織が掲げる意味が、顧客や従業員を魅了し、競争優位を築く要因となります。
組織に限らず、個々人や自分自身に置き換えても同じです。モチベーションを上げたい場合、自分が行う行為に意味を見出すことが重要です。そのためには、まず問題発見に力を入れることが必要です。一見、当たり前のような考えかもしれませんが、その背後には深い意味が潜んでいるのです。
ただ言われたことだけを、目的意識も持たず淡々とこなすことにあまり意味はありません。3人のレンガ職人の話を思い出してもられば理解できるでしょう。なぜそれをやるのか、理想とする望ましい状態を考えることができるから、ギャップである問題が見えてきます。問題だと気がつかなければそもそも解決のしようもありませんし、今後の発展もないのです。