やる気より、仕組み

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すぐ行動に移せる人とは、どんな人でしょうか。当然、仕事ができる人という答えになりそうです。仕事に限った話ではありませんが、実行力があると達成できることは確実に増えます。少し大げさな話になりますが、人はいつか必ず死にます。平均寿命から逆算すれば、残されている時間はおおよそ見えてきます。タイムリミットがあるのにノロノロしていては、生きている間にできることは限られてきます。
結果として、すぐ実行に移せない人が目標を達成するのは難しくなります。反対に、すぐ動ける人は、達成できることが増え、仕事もできるし、人生もそれなりに充実していきます。理屈としてはシンプルです。問題は、分かっていても動けないところにあります。

「明日やろうは馬鹿野郎」とよく言います。やや乱暴ですが、あながち間違ってはいません。今できることを先延ばしするメリットは、ほとんどありません。もちろん、意図的に実行のタイミングをずらした方がいい場合もあります。ただ、明日やっても今日やっても結果が同じなら、今日やらない理由はほぼないでしょう。では、どうすればすぐ実行できる人になれるのでしょうか。
一つは、メモの取り方、つまりアウトプットの仕方にあると思います。なぜメモに書き出すと実行力が上がるのでしょうか。それは、脳以外に外部メモリーが使えるようになるからです。脳の容量+メモの容量、という形で処理能力が拡張されます。頭の容量には限界があります。それを記憶装置としてフル活用するのは、少々もったいないです。記憶は外部ツールに任せて、思考に容量を使った方が生産的です。現代ではそれがメモであり、スマホであり、クラウドです。昔なら壁に刻んでいたかもしれません。
もちろん、脳内だけで全処理できる超人であれば話は別です(もしそうならぜひ会ってみたいものです)。ですが、生産性を上げたいのであれば、外部ツールを使わない理由はあまりありません。

外部ツールを使うもう一つのメリットは、自分を客観視できることです。頭の中だけで思っていることと、実際に書き出して視覚化したものとでは、微妙なズレが生じます。このズレに気づけるかどうかが大事です。ズレを認識できなければ、第三者から見た自分がどう映っているのか分かりません。実態を正確に把握できなければ、理想に近づくこともできません。現状分析が甘いまま理想だけ掲げても、達成確率は低いままです。運良く達成できたとしても、それは再現性のない博打に近いでしょう。

今、仕事でさまざまなタスクを抱えているはずです。メモを使って正確に実態を把握し、やるべきことを整理する。それだけで実行力はかなり変わります。今抱えているタスクを、すぐやらない理由は本当にありますか。実はほとんどないことが多いものです。何なら、翌日のタスクもやってしまえばいい。前倒しができると、公私ともに余裕が生まれます。余裕があると判断も早くなります。早くなるとまた前倒しができるようになります。この循環が回り始めると、実行力は自然と底上げされます。すぐやる人は特別な才能があるわけではなく、すぐやれる状態を作っているだけです。それなら、真似できない話でもありません。