起業だけが独立の形ではない

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この記事を読んでいるということは、将来独立を考えている方もいるのではないでしょうか。

少々話が逸れますが、「人に雇われるよりも、自ら仕事を作り出せ」という言葉があります。映画『ソーシャルネットワーク』はご存知でしょうか。Facebook(現Meta)創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏の成り上がりを描いた作品です。
この映画の中で、Facebookの発案に寄与したとするハーバード大学の学生たちが、アイデアの盗用だとして、学長である元米国財務長官のローレンス・サマーズ学長に直訴するシーンが描かれています。彼ら学生は、ハーバードの精神に反するとして、学長から一蹴されるのですが、その際、学長から出たのが先述の言葉です。

私は、学長と学生たちとのこの討論のシーンが好きです。上記の言葉の他にも、学長からは「創造にこそ価値がある」など、起業家の琴線に触れる言葉が連続するからです。

話を戻しましょう。映画の紹介が目的だった訳ではありません。一国一城の主として、一度は組織のトップに立ちたいという気持ちを持っている方は少なくないと思います。出世競争を勝ち抜いてトップの座に就くのも良いでしょうし、自分で起業するのもありです。ただ、もし起業する場合でも、一から会社を作り上げる必要はなく、既に出来上がっている会社を買収するのも一つの方法です。世の中には色んなサービスが溢れています。

例えば、トランビ(https://www.tranbi.com/)というM&A仲介サイトを利用するのも一案です。

日本では特に、会社を売買することに対して抵抗感を持つ方が多いと言われています。曰く、これまで大切にしてきたものが失われるのではないか。残った従業員に裏切り者扱いされるのではないか。しっかりと思いを持って経営されてきた方ほど、このような気持ちを強く持たれる傾向にあると感じます。

しかし、企業の目的は、その先にいる顧客へのサービス提供です。オーナーが変わったとしても、その目的は変わらないはずです。新規に会社を設立するのか、個人M&Aで買収するのか、どちらでも問題はありません。

自分の会社を持ちたいと考えているのであれば、自身にとって実行しやすい手段を選べば良いと思います。ただし、忘れてはならないことは、会社は社長個人の所有物ではないということです。それを誤解すると、顧客もスタッフも離れてしまうことになります。
継続的にサービスを提供するための器が会社であり、スタッフなのです。

会社で一番大切な売り物は商品でもサービスでもなく、会社そのものが最も大切な売り物だということです。だから会社は、いつでも売れるように磨き上げておくべきなのです。会社を売れと主張しているわけではありません。会社は常に最良の状態に保つべきだ、ということです。

現在会社に勤めている方が、その会社に籍を置いたまま、新しい仕事を作り出せないわけではないですが、創造できるもののスケールは、会社オーナーのそれと比べると、大きな差があるでしょう。大きく創造するために独立を考えている方は、何も起業だけが唯一の道ではありません。M&Aも一つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

参考文献:起業するより会社は買いなさい サラリーマン・中小企業のためのミニM&Aのススメ