結婚の経済的側面を考慮する

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結婚に何を求めるか。 そんなことを考えていると捻くれた人と思われるかもしれません。しかし、踏み込んで考えることで、新たな気づきが得られることは多いものです。
婚姻届に判を押すことは、借金の連帯保証人になるよりも恐ろしいことです。得られることの方が多いのか、損してしまうことの方が多いのかは、立場によって変わります。それは、男性か女性かの性別や年齢によって損得の立場が変わるわけではありません。

経済的な視点で見ていきましょう。 結婚とは「所得連動型の債権」という金融商品だとされています。夫であれ妻であれ、性別による立場は関係なく、所得によって損得が決まります。次の方程式に基づいて債権の額を計算します。

  • 結婚債権の価値=離婚成立までの婚姻費用の総額+結婚時の財産分与+慰謝料

所得とタイミングが重要です。方程式の左辺「結婚債権の価値」を、離婚時に所得の低い側が受け取ることができます。価値を決める中で大きなウエイトを占めるのが「離婚成立までの婚姻費用の総額」、いわゆる「婚費」と呼ばれるものです。婚費について知っているか知らないかによって、離婚後の経済状況に大きな差が出ます。離婚すると配偶者の収入がなくなるため、生計を立てる上で注意が必要です。金融商品とされる所以はここにあり、婚費の額は配偶者の所得が大きく関係するからです。
「結婚時の財産分与」とは「離婚時の財産-結婚時の財産」を折半するものです。タイミングが重要だと書いたのは、離婚時に財産を失わないようにするために財産分与が関係するからです。

財産分与については、結婚前に財産を築いてしまっていると、所得の低い側にとっては得しない離婚になります。 結婚時の財産と離婚時の財産に大きな変化がなければ、所得が低い側に多く取られる心配はありません。なので、所得が低い側にとっては経済的に得しない離婚ということになります。
こんな例があるようです。Facebook(現Meta)創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が、婚姻届を提出する前日に、同社の株を上場させたという話があります。そうすることで、もし仮に将来離婚することになってしまっても、所得が低い側は得しない(=所得の高い側は損しない)離婚になるからです。ザッカーバーグ氏のリーガルチームが非常に優秀であることが分かります。結婚前の財産を高くしておくことで、財産分与額を節約することができます。

結婚に限らず、サバイバル技術として経済的視点を持っておくと良いでしょう。
あくまで結婚を経済的な視点で考えた場合の話です。結婚する予定がない人にとっては、関心が薄いかもしれませんが、財産を築く手法として知っておいても損はないでしょう。美辞麗句だけで世の中が回っているわけではありません。資本主義の市場で生き抜くためには、結婚に限らずすべての事象に対して経済的な視点で判断する能力が、サバイバル技術として重要です。

さて、経済的な視点で結婚を考えるのは冷徹なことなのでしょうか。確かに「愛情はどうなのか?冷徹な結婚観ではないか?」という意見もあるでしょう。一方で、社会規範や他人の目を気にしすぎるあまり、たまたま好きになった人が既婚者であったり、振り向いてくれない人を諦めて好きでない相手と結婚する方が、むしろ愛情がないと言うこともできるのではないでしょうか。
少し話は飛躍しますが、日本の少子化問題に対する解決策として、現在の結婚制度の見直しについては考える余地があります。なぜなら、堕胎数もかなり多く存在し、結婚という金融商品としての仕組みが機能しなくなってきているように感じるからです。経済的な視点で見た場合、捉え方によっては結婚が人生のリスクヘッジと言えるかもしれません。

以上、経済的な視点で結婚を考察したもので、考え方の善悪や賛否は抜きにして、少しでも新しい視点を提供できればと思いました。経済的に得するか損するかを知っておくことは、結婚という重要な人生イベントを迎える上で、貴重な知識となるでしょう。また、結婚に限った話ではなく、資本主義社会において、このような視点は無視できないと思います。

参考文献:損する結婚 儲かる離婚