個人M&Aという資産形成

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以前、「起業だけが独立の形ではない」という投稿で触れた内容と主旨は若干似ていますが、今回は、個人が会社を買収することにより、資産形成にも繋がるという話をしたいと思います。

日本では、長者番付のトップに名を連ねる人物と、企業の時価総額ランキングトップの代表者との間には、あまり相関性がありません。これはオーナー社長(あるいは筆頭株主)と、生え抜きのサラリーマン社長とでは、築ける資産の大きさに雲泥の差が出るということを意味しています。
実は、人が労働することによって稼ぐことができる対価よりも、お金、株、不動産など人間以外のモノが生み出す対価の方が大きいのです。「21世紀の資本」や「金持ち父さん貧乏父さん」も同様の事実を示しています。人間以外のモノの中には会社も含まれます。資産形成を真剣に考えている人は、自分が働くこと以外に、何かモノに仕事をさせて富を築く方法を見つけた方が良いかもしれません。

さて、仮に仕事をさせるモノの対象を買収した会社としましょう。会社を所有していない人の方が多いと思いますので、大半の方がこれから自分で買収しないといけません。しかし、買収は大きな投資となり、いきなり大金を投入するのは失敗するリスクもあり、少々怖いですよね。
そこで、まずは買収候補の会社をいくつかピックアップし、それらの会社の経営者になったつもりで自分なりに経営計画を立てたり業績予測をしてみます。そうして数年間は観察してみて、その予実を元に買収先を判断してみるのはどうでしょう。

先述の通り、人間が働いて築ける富は、モノのそれに及びません。もちろん、富だけがすべてではありませんし、就職した会社に忠誠を尽くして勤め上げるのも一つの道です。一方で、やりたいことに挑戦するのも選択肢の一つのはずです。
日本企業の半数以上が後継者不足に悩み、廃業予定にあるという統計データもあります。需給バランスで考えれば、後継者として会社を買収するのは今チャンスなのかもしれません。

参考文献:サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門