人との繋がりを深める心理戦術

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商談に限らず、恋愛を含む人と人の交渉事には、程度の差こそあれ、常に駆け引きが存在します。自分に有利な方向へ導くことを望むのは自然なことです。これは単なる社交ではないため、話術が優れているだけで勝利するわけではありません。

特に重要なのは『ザイアンスの法則』です。この法則についてはGoogleなどで少し調べれば、多くの事例が見つかるでしょう。主な内容は、単純な接触回数によって心理的距離が縮まるというものです。初回の接触で相手に圧倒的な価値を伝えられなくとも、第一印象が及第点を超えていれば、接触回数の増加と共に好意が高まります。もちろん、第一印象が及第点に達しない場合、会うほどに嫌われる傾向にあるので注意が必要ですが、その場合はそもそも再会できる可能性が低いので杞憂に終わると思いますが。間違った入口は致命的です。そのような場合は、単に時間のロスになるので、無理に固執せず迅速に関係を断ち切り、新しい見込み客の探索に時間を割くべきです。

ザイアンスの法則には、主に3つの原則があります。第1原則は、見知らぬ人に対して不親切にしても問題が生じないということです。そのため、飛び込み営業やテレアポでは、まるで人間性を否定されるかのように冷たく扱われます。特にテレアポでは、相手の顔が見えず、今後会うこともないため、嫌われても何の影響もありません。 第2原則は、接触頻度が多ければ多いほど親密度が増すということです。これは、第一印象が及第点を超えていることが前提条件です。この条件を満たしていれば、基本的には会うほどに関係が良くなりますが、しつこいと感じられればすぐに関係は終わります。 第3原則は、相手の意外な側面を知った際に、より強い好意を持つということです。例えば、普段厳しい上司が実は音楽レッスンに熱心であることを知った時、その意外さに魅力を感じてしまうといったものです。営業では、この原則を押さえているかどうかが結果に大きな違いをもたらします。これらのテクニックは、商談に限らず、様々な人間関係に応用可能です。

ザイアンスの法則に加えるならば、第0原則として、相手に好感を持たれるかどうかが、ほぼ全てを決定するということです。無理にへりくだるような態度は、相手に優位な立場を与え、交渉の主導権を握らせてしまいます。一旦この立場関係が出来てしまうと覆すのは容易ではありません。そうならないためには、断られても構わない、という精神が重要です。夫婦や恋愛関係でも、別れる覚悟がある側が大抵は主導権を握っているものです。初めのポジショニングは、小さな言葉や行動で変えることが可能です。最初の会合は実現できても、その後の商談やアポイントに進めない方は、この原則を参考にしてください。

最後に、優位に立ったとしても、勝ちすぎるのは好ましくありません。例えばサッカーでボールの支配率が高くても得点で引き分けるか、あるいは負けるような状況と似ています。別れ際には、わずかに負けているような状態で終わることが望ましいです。人は自分がちょい勝ちした人には好感を持ちまた会いたくなるものだからです。人間心理は複雑ですが、その探求は魅力的です。

参考文献:売れすぎて中毒になる 営業の心理学