オンライン時代のリアルな営業力

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机上の空論ではなく、現場で実践できてはじめて意味を成します。計画設計段階ではどれだけ理にかなっていても、現場で使えなければ意味がないのです。営業でも優れたノウハウや理論はたくさんありますが、果たしてどれだけが実地に則して使えるでしょうか。
昨今の社会情勢に影響を受けるところも大きく、それに伴うIT技術の発達もあり、人と人とがリアルに接触してサービスを受ける機会は少なくなっています。本気でやろうと思えばオンライン上ですべて完結させられるのです。わざわざ外出しなくても、自宅に居ながらあらゆるサービスが受けられるようになりました。これに関しては、先日クライアント先で建設・土木・不動産業に携わる会社の社長と話をする機会がありました。その際、自宅に居ながら受けられるサービスは今後も需要がどんどん増えていくし、この分野の市場成長は加速するだろうという話をしていました。

確かに、靴底を擦り減らしながら人がモノを売り歩くことは少なくなりました。とは言え、人と人とが接触する機会がゼロになるわけではありません。高額な商品やサービスの場合は特にそうかもしれませんが、最後のクロージングはリアルな対人での意思決定になります。オンライン技術の発達はとどまるところを知りませんが、現時点ではオンラインから得られる五感情報は、視覚と聴覚に限定されています。一部、端末から振動が来たりの触覚もあるにはありますが、まだそれは発展途上段階にあり人間の意思決定に及ぼす影響は大きくはありません。
もし五感情報すべてがオンラインでやり取りされるようになれば、果たしてどのような世の中になるのかもはや想像もつきません。しかし、1つ言えることは、どれだけオンライン化が進もうが、オンラインはあくまでも営業ツールであって、営業ノウハウそのものではないということです。ウェブを使って成果を上げる会社や個人は、リアルでの営業術にも間違いなく長けています。なぜなら、リアルな営業場面に比べてオンラインでのそれは伝達される情報が圧倒的に少ないからです。情報量が桁違いに多いリアルな対人営業ですら満足のいく営業ができないのに、ただでさえ少ない情報で勝負できるはずがありません。従って、リアルでの営業術に長けていることがオンライン営業を行なう上での必須条件になります。
先のクライアント企業の社長との話の続きで、サービスを選ぶ際の入り口こそオンラインになっても、商品の受け渡しやサービスを施す際に、最後は人と人とが対面し接触する必要があり、この時にリアルでの営業力も問われるという話になりました。

オンラインが当たり前になればなるほど、リアル対面の希少性は途轍もなく上がっていくことになります。ビジネスの流れの最後に、人と人とが対面する僅かな機会を勝ち取るためにも、リアルな現場で培われた百戦錬磨の実践経験やノウハウは、オンラインが当たり前の世の中だからこそものを言うようになるのではないでしょうか。

参考文献:45年間トップセールス「最強」営業術